Tidak apa apa 気楽にいこう。

インドネシア スマトラ島で活動する青年海外協力隊 TOMO のブログ。

【環境分科会】環境先進都市マカッサル市で開催。

こんにちは。

先月末からバタバタと慌ただしい日々を過ごしています。

今回は先日行われた環境分科会について紹介します。

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今回インドネシア国内から集まった環境教育隊員。



分科会って?

分科会とは、ボランティア自身の知識や技術向上、またボランティアの知識や技術を現地の人々へアウトプットするため、ワークショップの開催や施設見学、意見交流などを行う自主的な会です。

今回は、インドネシア国内に5名在籍する環境教育隊員がマカッサル市に集まり環境分科会を行いました。

今回は分科会の報告書をブログに転載します。

 

目的

①環境先進都市マカッサル市の学校や環境施設見学及び意見交換による、隊員の環境教育技術力向上。

②ワークショップ開催による、隊員のワークショップ技術の向上と、新規教材の開拓。及び参加教員の環境教育技術力のスキルアップと、参加生徒の環境意識向上。

③環境教育隊員間の情報交流、教材・教育手法の共有による隊員のスキルアップ

①②③によるインドネシア全体の環境意識向上。

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マカッサル市内の学校を訪れた際の写真。

①学校視察

【内容】

環境教育に熱心な3校で校内の環境施設や活動見学(ゴミ銀行や食堂、緑化施設、リサイクル工作)、先生や生徒からの聞き取りを行った。

 

【気づき】

学校における環境教育には、やはり先生(特に校長)の協力が必要だと実感した。今回訪れた3校ともに先生が中心となってゴミの分別やゴミ銀行の管理、美化活動を行っていた。そのなかで特に気になったのは、校内でゴミを出さないように工夫しているSDN POMPOである。学校での環境活動というと分別やリサイクルに注力しがちであるが、リフューズに力を入れる数少ない学校であり、メダンでも何とか取り入れられないものかと感じた。

 

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マカッサル市内の小学校は環境教育に熱心。リサイクル工作が校内いたるところに。

【任地で生かす事】

先生の協力を得るという点で、今後付き合いのあるメダン市内日本語教師会の先生方を対象にプレゼンテーションを行う(5月予定)。「美化活動」は日本文化のひとつでもあるため、日本の紹介と会わせて生徒に「環境教育」を紹介出来るプログラムの開発を進める(現地の先生が行える内容)。またメダン市内の環境コミュニティでも、今後マカッサル市の学校環境教育についての共有予定である。リフューズ促進に関しては、現在私が定期環境教育を行っている高校でリフューズ促進活動(先生やや食堂へのプレゼンテーション等)を計画する。

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校内の食堂からゴミを出さない工夫をするマカッサル市内の学校。

 

②ワークショップ

【内容】

小学校教諭、生徒向けにワークショップ型の環境教育を行った。私は1時間強の持ち時間で小学生40名向けに「海洋生物ダンス」「海洋ゴミに関する紙芝居」「環境の木の作成(葉っぱに環境メッセージを書くもの)」「ペットボトルを利用した工作」をした。

 

【気づき】

今回生徒同士が初対面という事もあり取り入れたダンスで、生徒同士が打ち解ける事が出来た良かった。ペットボトル工作の難易度は小学生にちょうど良く、時間内に終了出来たのも良かった点である。ただ個人的には、ペットボトル工作とそれ以外のプログラムを上手く結びつける事が出来なかったため、よりストーリー性のあるプログラム作成が必要だと感じた。

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小学生を対象に行った、環境ワークショップ。写真は環境の木。

 

【任地で生かす事】

ペットボトル工作とその他のプログラムを上手く結びつける事が出来るようプログラムを修正し、活用したいと思う。またワークショップ全体としては、メンバー間での事前情報共有の時間をしっかり確保する事も大切だと感じた。今後何人かでワークショップを行う際は、事前の打ち合わせの時間をしっかり確保したい。また他隊員の行った植物の光合成実験は、内容も分かりやすく参加者の反応も良かったため、今後少人数クラスでの環境教育に取り入れようと思う。

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植物の光合成実験を行う生徒とボランティア。

 

③環境施設(Bank Sampahゴミ銀行, Mall Sampah)見学、意見交換

【内容】

マカッサル市のゴミ銀行の中心的存在であるBank Sampah Pusat と新規ビジネスであるMall Sampahで施設見学・意見交流を行った。

 

【気づき】

マカッサル市のゴミ銀行はメダン市のゴミ銀行とは異なり、既に規模が大きく成功している事に驚いた。マカッサル市でゴミ銀行が成功した理由は、政府が全面的にサポートしたためである。メダンにおいても、ゴミ銀行に対する配属先州環境局のサポートが必要だと痛感した。また2つの施設の担当者は共に社会的意識が高く、周りを巻き込む力が高いと感じた。

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成功するマカッサル市内のゴミ銀行について説明する担当者。

 

【任地で生かす事】 

ゴミ銀行を任地でも普及させるために、まずは配属先のゴミ銀行担当スタッフを対象にマカッサル市ゴミ銀行の様子を説明する。また、Mall Sampahについては、ゴミ処理セクション長に話したところ興味を持っているため、今後セクション長とMall Sampah担当者でコンタクトをとる予定である。その他メンタル面では、ゴミ拾いや学校での教育などすぐに結果に繋がらずとも、諦めず継続して活動したい。

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Mall Sampahというオンラインのゴミ収集システムを開発運営する学生。



④ゴミ拾い

【内容】

海岸沿いで子ども達とゴミ拾いを行った。学校ごとに写真やビデオを撮影するなど、アディビアタ(インドネシアの環境評価)の得点も意識した構成であった。

 

【気づき】

より多くの人を巻き込むには「ゴミ拾い=善意」プラスαのメリットが必要だと感じた(今回の場合、学校のアディビアタ得点獲得)。またゴミ拾い後に分別、Mall Sampahによる回収まで行っており、メダンで行っているゴミ拾いにも取り入れたいと感じた。

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ゴミ拾い後に分別する参加者。分別後はゴミ回収システム「Mall Sampah」を使います。

 

【任地で生かす事】

継続してメダン市で行っているゴミ拾いは、参加者に対するメリットが不足していると感じた。参加者のメリットとなるものが何なのかを、ゴミ拾いコミュニティのミーティングで議題にあげ議論する。また、現在メダンのゴミ拾いでは、資源の回収者がいないため分別が行えていない。こちらもミーティングの議題とし、ゴミ拾い場所周辺の資源収集者を見つけられるよう議論する。

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海岸でのゴミ拾いイベントに参加する小学生とボランティア。

 

⑤隊員間の交流

【内容】

移動中の車内や連絡所で情報交換した。

 

【気づき】

電波状況などもあり普段なかなか情報交流が出来ない環境隊員間で、各任地の状況や活動内容・問題点などを共有する事ができ、モチベーションが高まった。またワークショップを共に開催した事で連帯感も生まれた。

 

【任地で生かす事】

任地で行った活動や新たな教材など、SNSや共有ドライブを利用し隊員間で共有する。また今後の分科会のあり方についても電話会議を開き検討する。

 

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分科会終了時の一枚。今後も環境教育隊員で協力して、インドネシアの環境意識向上を目指します!